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2023 年度 研究成果報告書

主題化の研究:生成文法と国語学の接点

研究課題

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研究課題/領域番号 19K13158
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関京都ノートルダム女子大学 (2020-2023)
信州大学 (2019)

研究代表者

田口 茂樹  京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (00528664)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード国語学 / 理論言語学 / はだしの主題
研究成果の概要

主文におけるはだしの主題と、埋込文の対格主語との統語的・意味的な類似点だけでなく、両者が持つ談話効果の共通点が明らかになった。まず、対格主語に付与された「を」は、格助詞という単なる文法機能だけでなく、話者の先入観等に裏打ちされた旧情報に対する「意外性」という情動を表す談話標示詞であるという結論に至った。これを踏まえ、「なにを」を用いた理由疑問文において格助詞が脱落した場合に、元の談話効果が弱まる、或いは中立化する現象に着目した。結論として、主格の「が」と対格の「を」は非常に良く似た談話効果を持っており、両者の違いは、情動が旧情報に基づくものか新情報に基づくものかに集約されると考えられる。

自由記述の分野

理論言語学

研究成果の学術的意義や社会的意義

実用性よりも規範性を重視する国文法は世間一般で敬遠されがちであるが、本研究を通して、国語学者による着眼と知見の妥当性が立証できた。一見無関係に見える複数の文法現象が、根底に存在する一般的な性質から導き出されることを明らかにした点は、国語学と理論言語学との接点に対する実証的な具現化だと言える。例として、副助詞と格助詞という分類を踏襲しつつも、それらが持つ特性を談話効果や情報構造の観点から見直すことができた。伝統的に高く評価されてきた先行研究を、理論言語学の立場から再検証することの学術的意義はもとより、本研究によって学校における国語教育を再評価する契機となれば、社会的にも意義深いと考えられる。

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公開日: 2025-01-30  

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