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2023 年度 実績報告書

アラビア語チュニス方言の口承文芸の言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13183
研究機関東京外国語大学

研究代表者

熊切 拓  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60802387)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードアラビア語方言 / 口承文芸 / 語り / ナラティブ / モダリティ / 語順
研究実績の概要

本研究の目的は、チュニジアのアラビアン・ナイトとでもいうべき『アル=アルウィー物語集』に関する言語学的・文化的調査を行い、その語りに着目した言語学研究を行うことにある。
アラビア語チュニス方言はチュニジア共和国の首都チュニスを中心に話されているアラビア語方言のひとつである。そのチュニス方言で書かれたのが『アル=アルウィー物語集』(全 4 巻)である。同書にはおよそ 111 の物語が含まれ、著者アル=アルウィーの生き生きとした語りによって記録されている。
この物語集の読解にさいしては、チュニス方言話者の協力が不可欠であり、これまで筆者は現地の協力者とともに同書を読み進めてきた。本研究の目標のひとつは、この物語集に関する調査を完遂することであったが、新型コロナウィルスまん延の影響のため、研究計画初年以外は、現地調査を行うことができなかった。
しかしながら、 研究計画最終年度となる 2023 年度はようやくチュニジア渡航が可能となり、2 度の現地調査を行うことができた。8 月の現地調査(チュニス)では、『アル=アルウィー物語集』第 4 巻の未調査部分(約 300 ページ)の聞き取りを行い、当初の予定を終えることができた。2024 年 3 月は、チュニジア南部(ガベス、タタウィーン)で、南部方言・文化に関して予備的な調査を行うことができた。研究成果の公表として 2023 年度は、アラビア語チュニス方言の語りをテーマとして、 2 本の論文執筆と、1 回の口頭発表を行った。
コロナ禍のため、本研究課題を遂行するにあたりさまざまな困難があったが、多くのチュニジアの方々の協力と支援により、大きな成果を上げることができた。心より感謝を申し上げたい。今後も、研究課題「アラビア語チュニス方言における語りの技法と文法」(基盤研究(C)、22K00548)において引き続き研究を深めていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] アラビア語チュニス方言の等位接続詞の用法2024

    • 著者名/発表者名
      熊切拓
    • 雑誌名

      開智国際大学紀要

      巻: 23 ページ: 59-69

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アラビア語チュニス方言の3人称独立人称詞の談話モダリティ用法2024

    • 著者名/発表者名
      熊切拓
    • 雑誌名

      武蔵野大学教養教育リサーチセンター紀要 The Basis

      巻: 14 ページ: 141-151

    • オープンアクセス
  • [学会発表] アラビア語チュニス方言の語りにおける末尾の文について2024

    • 著者名/発表者名
      熊切拓
    • 学会等名
      日本言語学会第 168 回大会
  • [学会発表] The Semantic Change of Irrealis marker to Expletive in Negative Environment2024

    • 著者名/発表者名
      熊切拓
    • 学会等名
      21st International Congress of Linguists
    • 国際学会
  • [学会発表] アラビア語チュニス方言の語りにおける等位接続詞の機能2023

    • 著者名/発表者名
      熊切拓
    • 学会等名
      日本言語学会第 166 回大会

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公開日: 2024-12-25  

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