研究課題
若手研究
本研究は、中国語の常用語彙の歴史を明らかにするために、まず現代中国語方言の広域語形分布地図と狭域詳細地図を作成し、言語地理学的手法で分析する。続いて、史的文献資料を使った分析とつきあわせることで、より精度の高い言語変化のメカニズムを提示し、漢語語彙史の全貌の解明を目指すものである。研究期間中に8項目の常用語彙を分析し、言語地理学的研究のサンプルを増やすとともに、長江下流域の方言の特質について分析を進めた。
中国語学
中国語語彙の歴史研究に、現代方言の語形分布地図を作成・分析する言語地理学的手法でアプローチしたこと、また、広域地図と狭域詳細地図を組み合わせてより緻密に地理分布を解釈したことに本研究の特徴がある。類似する分布傾向をみせる項目を選んで分析したことで、分布類型の平行例を蓄積することができた一方で、その多様性についても新たな知見が得られたことに学術的意義が認められる。