研究課題/領域番号 |
19K13199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
幸松 英恵 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (10711525)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ノダ文 / ノダの通時的研究 / 事情説明のノダ / 推論のノダ / 事情を表さないノダ / 近世江戸語のノダ |
研究成果の概要 |
現代日本語の(いわゆる)「ノダ文」については、典型的な用法であると言える「事情説明」のほか「解釈(推論)」や「発見」や「命令」など多様な用法が指摘されていた。その理由については、名詞文の持つ機能を中核にした説明や、語用論的な解釈からの説明などがあり、現時点での定見がない状態であったと言える。本研究で通時的な用法変遷について調査した結果、事情説明以外の用法は、ノダではない「ノ+コピュラ的終助詞」で表されていたり、ノダに後置される終助詞の機能によりかかった用法であった可能性があることが提示され、ノダの多様な用法が併存している背景についてある程度明らかにできたのではないかと考えられる。
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自由記述の分野 |
日本語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ノダ文は現代日本語における重要文型の一つであるだけに、多くの先行研究が存在する。その一方で、ノダが発生した近世期からの通時的研究は従来あまり行われてこなかったと言える。本研究では現代共時態における多義のあり方を解明するという視点から通時的調査を行った結果、これまで指摘されてこなかったノダ文の用法変遷と多義の背景についてある程度明らかにすることができたと考える。最終年度に行った学会シンポジウム(「ノダ文研究の現在地―ノダの時空間変異から見た研究の展開―」)の議論により、この考え方がノを含む他の文型の研究や方言研究にも応用可能である可能性を提示することができた。
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