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2021 年度 実績報告書

発話調査・聞き取り調査に基づく首都圏東部域音調の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13203
研究機関日本大学

研究代表者

林 直樹  日本大学, 経済学部, 講師 (70707869)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードアクセント / 首都圏東部域 / あいまいアクセント / 埼玉特殊アクセント / 音響的特徴 / 発話調査 / 聞き取り調査 / Web調査
研究実績の概要

本研究では、これまでアクセントの下降幅・下降位置を操作した合成音声を作成し、それを提示することで得られたWeb調査データの初期的な分析・報告を中心に行ってきた。これらの分析によりデータの全体像はある程度把握できたものの、個人差や属性差をみることはできていなかった。
そこで、今年度は多変量解析に基づく分析を行い、調査対象者である首都圏生育者にどのようなアクセント聞き取り傾向があるのかを明らかにすることとした。より具体的には、多変量解析の手法の一つであるクラスター分析を用い、回答傾向に基づく客観的な話者分類を行い、得られた分類別に回答傾向を分析していった。その結果、首都圏生育者はアクセントの聞き取り傾向として大きくは2種、細かくは3種に分かれることが明らかになった。さらに、アクセントの違いを聞き取っているとみられるタイプの中にも、細かい下降幅や下降位置の違いを聞き取るタイプと、はっきりとした違いのみを聞き取るタイプが存在することが示唆された。このことを基に、首都圏におけるアクセントの聞き取り傾向には多様性があることを指摘した。
以上の結果は、伝統的に発話調査に基づき分析が行われていた首都圏アクセントの多様性を別の面から明らかにしたものと位置づけることができる。今後は、上記によって得られた結果をより詳細に分析するため、年齢差や地域差といった属性別の分析を取り入れていく予定である。さらに、発話調査も取り入れることにより、首都圏アクセントの実態を多角的に明らかにしていくことを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 1万人を対象とした全国方言意識Web調査に基づく話者類型2022

    • 著者名/発表者名
      田中ゆかり・前田忠彦・林直樹・相澤正夫
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: 33(4) ページ: 249-264

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 言語統計学入門(4) ―平均値に差があるかないか―2022

    • 著者名/発表者名
      林直樹
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: 33(4) ページ: 286-299

  • [雑誌論文] 「打ちことば」コミュニケーションにおける絵文字使用―「加藤安彦ケータイメイルコーパス」を用いた分析―2021

    • 著者名/発表者名
      田中ゆかり・林直樹
    • 雑誌名

      語文

      巻: 170 ページ: 124-111

    • 査読あり
  • [学会発表] Phonetic Features affecting the Naturalness of Pitch Accent: Result from a Web-based Survey2021

    • 著者名/発表者名
      Naoki HAYASHI
    • 学会等名
      QUALICO 2021 (11th International Quantitative Linguistics Conference)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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