本研究では、(i)付加詞条件に関して、日中英語のデータを比較・分析し、その普遍性を検証すること(ii)付加詞条件に従う例と従わない例(項の抜取りに関しての定形付加詞節と非定形付加詞節の文法性の違い)を原理的に捉えられる派生メカニズムを追求することを研究の目標に掲げた。本調査により、定形と非定形付加詞節の節最上位の構造の違い、定形付加詞節の種類によるCP構造の違いを明らかにし、フェイズ性や主節CP領域との一致の有無が内部からの項の抜取りの可否に関与することを示した。また、埋め込み領域における日本語の丁寧語の出現を例に、節周辺構造の更なる精緻化にも寄与した。
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