• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

近接未来表現カテゴリーの創発における競合と消失に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13230
研究機関関西学院大学

研究代表者

渡辺 拓人  関西学院大学, 商学部, 助教 (00734477)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード近接未来表現 / 競合 / 近代英語
研究実績の概要

本研究課題は、平成28-30年度にかけて採択された研究課題(16K16858)を継続発展させることを目的としている。その初年度にあたる令和元年度は、その研究課題の下で行った研究成果の論文化に取り組んだ。
ひとつは2016年の口頭発表 "The Development of the Simple Present Tense in Adverbial Time Clauses in Modern English" に基づくものであり、渡辺(2020)として論文を発表した。17-18世紀を対象に、before, till, untilで導かれる時間節の動詞が仮定法現在形から直説法現在形になる様子を実証的に明らかにし、また動詞の語形選択に対する規範文法の影響の有無について考察した。その結果、次の3点を明らかにした。(1) 直説法は17世紀末までに全用例の過半数を占めるまで拡大していた;(2) 動詞のタイプ頻度が仮定法では減った一方、直説法では増えた;(3)この問題について規範文法の積極的な影響は認められない。これは近接未来表現の発達に直接関わる問題ではないものの近代英語期の未来表現の用法における重要な変化であり、広い意味では同じ領域に位置する問題であるため、本研究課題の一環として行った。
もうひとつは2018年の口頭発表 "Immediate future expressions in Early Modern English: the rivalry between be about to, be upon the point of, and be ready to" その他に基づくものである。特に16-17世紀のbe ready toを取り上げ、その近接未来表現としての用法を探りつつ、結果として定着に至らなかった理由を定型性の観点から考察した。こちらは令和2年度に論文集の1章として国内の出版社より刊行される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」に示したように、令和元年度は、今後発表予定のものを含め研究成果の公表を行うことができた。また今後の研究の進展に向けて、新たなデータの収集や調査も進めることができた。

今後の研究の推進方策

引き続きデータの収集や分析を行い、研究を発展させていきたい。令和2年度は大会を中止や延期にする学会が多くなってしまったため、紀要論文など代わりの媒体による研究発表を模索する。

次年度使用額が生じた理由

若干の未使用額が生じたものの、本年度の助成金は実質的にすべて使用したと考える。次年度も研究に必要な文献の購入や研究成果公表に係る費用、また(今後の状況次第であるが)学会旅費に助成金を充当する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 近代英語における未来を指す時間節での直説法現在形の拡大2020

    • 著者名/発表者名
      渡辺拓人
    • 雑誌名

      商学論究

      巻: 67 ページ: 165-176

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi