本研究は、漢字を母語で使用しない非漢字圏の学習者が、視覚呈示された日本語漢字単語を意味処理する際、どのような特徴がみられるのかについて、眼球運動と、反応速度の観点から分析・考察した。 実験では、構成漢字が持つ意味情報と、漢字単語の意味との結びつきの強さによって、4分類し、それぞれの特徴を検討した。 本研究の実験から、非漢字圏の中上級学習者が日本語漢字単語を意味処理する際、漢字そのものが持つ意味の活性化が、単語の意味を同定する際に効果的に作用していないことわかった。また、学習者は、意味を特性する際に、漢字間の視線の往来を行いながら、単語の意味を検索・照合し、意味処理することがわかった。
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