研究課題/領域番号 |
19K13241
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
釜田 友里江 神田外語大学, アカデミックサクセスセンター, 講師 (00807167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 共感的な反応 / ネガティブな経験の語り / 日本語会話 / 日本語学習者 / 会話分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語会話の構造を共感的な反応から解明し、日本語学習者が円滑にコミュニケーションを行えるためのモデル会話を開発することである。日本語会話の構造を解明する際にネガティブな経験の語りを対象とする。計画通り、本年度は①データ収集、②データ分析、③発表を行った。以下が詳細である。 ①データ収集:新型コロナウィルス感染防止のため、オンラインによる会話を収集した。大きく3つのカテゴリーの会話を録音・録画した。2020年8月に「日本話者間の会話」(22ペア)、2020年12月に「日本語話者と日本語学習者の会話」(10ペア)、2020年12月に「日本語学習者間の会話」(14ペア)である。会話を収録後、専門業者に文字起こしを依頼した。全体を観察し、共感的な反応に関連する箇所について、自身で更に細かく書き起こした。 ②データ分析:収集したデータの観察を行った。以下の流れで進めた。データ収集→文字起こし→データの分類→データのラベル付け→複数の人に確認。収集したデータを観察・分析し、他の研究者とオンラインで意見交換(2020年9月、2021年2月)を行った。主に日本語会話における共感的な反応について、データの分類を行った。今後は、日本語話者と日本語学習者のデータも観察する。また、オンライン会話と対面会話の特徴についても分析を行う。 ③発表:データの分析で明らかになったことを国内と国外の学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、データ収集(日本語話者間の会話・日本語話者と日本語学習者の会話・日本語学習者間の会話)、データ分析、学会発表(国外・国内の学会)を行うことができた。そのため、研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、以下の3点を行う。特に(2)と(3)に重点を置く。 (1) 会話データの収集(日本語話者間の会話・日本語話者と日本語学習者の会話・日本語学習者間の会話) (2) データ分析(文字起こし→データの分類→データのラベル付け→複数の人に確認) (3) 学会発表 前年度に引き続き、共感的な反応の特徴について分析を進める。これまで「日本語話者間の会話」を中心に分析を行ってきたが、今後は「日本語話者と日本語学習者の会話」にも焦点を当てる。分析結果を整理し、学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナウィルス感染防止のため、予定していた海外の大学でのデータ収集を断念した。そのため、旅費の使用がなかった。
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