当初計画の最終年度を越えて1年延長した2022年度は、コロナの流行が下火になったことから、改めて現地調査に力を入れた。経済界から大学留学生教育への期待をみるため、当地における企業の社長との面談を実現させた(22年5月)。また継続しての協力を取り付け、その結果、同社の外国人社員2名に、それぞれオンライン上でのインタビューを実施した。並行して、従来から調査を続けている大学の副学長には2度インタビューも実施し、また同大学のキャリア支援担当事務職員にもインタビューを行った。先の外国人社員のうち1名は同大学の卒業生であることから、かつての留学生とその就職支援を行った職員の2方向から、キャリア支援の課題や効果を巡って、分析しているところだ。 また、前年の離島調査に絡めて、22年2月には大学短期留学生(12名)を対象にアンケート及びインタビュー調査を実施し、離島における短期研修の可能性について、検討した。この成果は、23年6月18日の日本言語政策学会においてポスター発表による発信を予定している(題目「地方における産学官連携しての留学生獲得方略を巡って -離島を活用した短期研修の可能性-」)。 4年間にわたる研究機関全体はコロナ禍と重なったことから、留学生の受け入れ自体がままならなくったため、その計画(受け入れた学生を巡っての県留学生支援センターを中心とした産学官が連携しての留学生支援の実態調査)を大きく見直した。だが、産と学、学と官については、期間中に実施した各調査を通して、そのつながりやそれが果たす役割について検討する材料を得た。また視点を変えて離島での調査を実施したが、他の地域との差別化を図り、当地と留学生双方のメリットをもたらす研修プログラムに新たな留学生獲得の可能性を見出せた。
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