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2020 年度 実施状況報告書

中級日本語学習者の文章における「内容面」の評価統一に向けた評価研究と評価活動

研究課題

研究課題/領域番号 19K13248
研究機関関西学院大学

研究代表者

安達 万里江  関西学院大学, 国際学部, 講師 (10823867)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードパフォーマンス評価 / 中級日本語 / 作文評価 / 意見文 / ルーブリック / 内容面の評価 / 一貫性 / 独自性
研究実績の概要

令和2年度は当初の計画に従い、以下を実施した。
1.令和元年度に作成したルーブリックの記述文を一部改訂した。また、本ルーブリックは中級の学習者にとってもわかる日本語での作成を試みたが、補助的なものとして今年度は英語訳版も作成した。
2.昨年度の予備調査では、日本語学習者コーパス「I‐JAS」の作文11編を15名の研究協力者(日本語教員)に評価を依頼した。その結果より得られた「内容面の評価が上位で、かつ、評価のばらつきが大きかった3編の作文データ」を本年度の調査・評価活動(授業実践)に用いた。調査は、インターネット上で実施し、前述の15名のうち、11名の協力を得た。そして、ルーブリックの評定データと「内容(一貫性)」「内容(独自性)」の評価理由の自由記述データを得られた。評価活動(授業実践)も、主としてオンラインによるビデオ会議システムとウェブアンケートを活用し、日本語教員2名、日本語学習者13名で実施し、調査同様にルーブリックの評定データと評価理由の自由記述データ、実践後に学習者本人が書いた作文データ・自己評価データを得られた。
3.上記2.の調査結果に基づき、ルーブリック改訂前後の内容面に関する評定・評価理由データを比較した。その報告を2020年8月21日に開催された「第5回学習者コーパス国際シンポジム LCSAW 5 (2020)」にて行った。
上記1.~3.を踏まえ、特に以下の3点が次年度への課題として挙げられる。①インターネット調査の実務的な仕組み構築(調査協力者集めやわかりやすい手順説明等)、②ルーブリックの評価観点の解釈(理論枠組み)の不明瞭な点に対する理論面の考察、そして、③上記①②を踏まえた上での本調査(量的調査)に向けた研究計画の見直しの検討が必要であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症によって発表された緊急事態宣言等による社会情勢の変化に伴い、令和元年度はインターネット上での調査実施に向け、検討してきた。
しかしながら、オンライン環境による研究の遂行には、先の「研究実績の概要」で述べたように、たとえば調査協力者集めやわかりやすい手順説明等、必要なデータを収集するために実施できたこともあるが、準備不足であることは明らかであり、計画通りには学術研究を進められなかった。

今後の研究の推進方策

令和3年度の推進方策は以下のとおりである。
(1)ルーブリックの評価観点の解釈(理論枠組み)の不明瞭な点を明らかにし、研究協力者である日本語教員向けに定期的な勉強会を実施する。
(2)上記(1)に並行し、ルーブリックをより活用しやすいものに改訂し、本調査に用いる。本調査で用いる前段階として、16名の研究協力者を中心としたワークショップの開催を目指す。
(3)調査協力者を増やすため、また、調査協力者の負担軽減のため、インターネットによる調査を目指す。具体的には、ホームページを作成し、ウェブ上での調査実施を可能にする。ホームページは、本研究の成果が確認できるようにする。
(4)上記(1)~(3)によって得られた結果を、学会での論文投稿等によって成果を公表し、評価研究の面で日本語教育のみならず、他の分野・領域への還元を目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初の予算計画では国内・海外での研究成果発表等を想定した旅費を計上していた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大防止が求められる社会情勢にともない、令和2年度は旅費が発生しなかった分の繰越金が生じた。令和3年度も同様の状況が続くことが考えられるため、繰越金と本年度分の助成金については、本調査および評価活動に協力してくださる日本語教員と日本語学習者への謝金・謝礼に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] L2日本語作文の内容に関する評価研究 ―ルーブリック改訂前後の評定・評価理由の比較―2020

    • 著者名/発表者名
      安達万里江
    • 学会等名
      第5回学習者コーパス国際シンポジム LCSAW 5 (2020)

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公開日: 2021-12-27  

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