研究課題/領域番号 |
19K13289
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
末森 咲 お茶の水女子大学, 外国語教育センター, 講師 (00837528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 動機づけ / 教師の動機づけ / 質的研究 / 縦断的研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、1)日本の中学校、高等学校で教える英語教師の動機づけは1年間に渡ってどのような状態にあるのか、2) 教師の動機づけを変化させる要因としてはどのようなものがあるか、3) インタビューを通して見られる教師の動機づけは、実際に教師が教える英語の授業とどのような関係にあるか明らかにすることである。本研究の1年目では、当初の予定通り、データ分析とデータ収集に取り組んだ。データ分析としては、2018年度に教師7名を対象に実施したインタビュー、そのうち2名を対象とした授業観察、参加者が教える生徒を対象としたフォーカスグループの分析をNVivoを用いることで進めていった。書き起こしやコーディングは既に終了している。また、データ収集に関しては、2名の教師を対象に実施した。1名は2018年度から研究に参加しており、引き続き、インタビュー3回、授業観察を3日間実施した。もう1名に関しては、インタビューのみ実施した。分析結果は博士論文、投稿論文にまとめると共に、国内外の学会にて公表していく。また引き続きデータ収集に取り組み、様々な文脈にて、長期的に教師の動機づけを捉えることができるようにしていく。本研究の2年目では、引き続きデータ分析に取り組むと共に、博士論文執筆、論文執筆に取り組む。また、1年目に調査に参加していた教師を対象に、データ収集を継続する。3年目以降、新たな文脈においてデータ収集を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、データ分析とデータ収集に取り組み、問題なく進めることができているため、順調に進展していると考えられる。データ分析に関しては、2018年度収集データの書き起こし、コーディングなどは全て終了し、調査参加者の動機づけの特徴が見えつつある。今回は、それぞれの英語学習経験や英語教授経験など、背景的な情報も踏まえて分析を行っていることから、参加者の背景と動機づけが密接な関係にあることが明らかになりつつある。参加者のうち2名に関しては、授業観察、フォーカスグループも踏まえ、動機づけを捉えることができている。参加者のこだわりが、実際英語を教える上で反映されていることが明確となった。またこの2名の参加者は、自分が授業で焦点を置きたいことを、適切に生徒に伝え、生徒もその重要性を理解しているからこそ、自分のこだわりを反映させて授業を行うことができていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ分析と結果の公表に取り組み、継続してデータ収集を行う。まずは、研究結果を博士論文にまとめると共に、並行して論文投稿の準備も進める。また、国内外の学会や研究会で、研究結果を公表し、研究の発展を目指す。データ収集に関しては、1年目に調査に参加していた2名を中心に進めていく。引き続き、インタビュー、授業観察を実施予定である。昨今の情勢を考慮しながら、3年目以降新たな学校でデータ収集を開始できるよう、準備を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
質的研究用データ分析ソフトNVivoの購入を予定していたが、事前に購入していたライセンスを使用することが可能であった。そのため、2019年度に、NVivoのライセンス取得をする必要がなかった。2020年度に購入する予定である。
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