研究課題/領域番号 |
19K13293
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 千佳 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (30749833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際共通語としての英語 / 外国語学習動機づけ |
研究実績の概要 |
本研究は、国際共通語として英語が機能する中で、そのような英語の現状を学習者がどのように捉え、彼らの英語および第二外国語の学習動機づけにどのような影響を与えているのか、さらに、これらを踏まえた上で、英語や第二外国語を教える教員はどのようにその指導法を改善できるのかを明らかにすることを目的としている。2021度は、計画していた調査を概ね実施することができた。具体的には、半年の期間をおいた2回の質問紙およびインタビュー調査である。 第1回目の質問紙調査では、調査対象者の国際共通語としての英語に対する態度の傾向と、その態度と英語・英語以外の外国語の学習動機づけとの関係性を明らかにした。対象者は概ね英語については共通語として前向きにとらえている様子が明らかになった一方、海外の先行研究で報告されているような、英語に対する前向きな態度が英語以外の言語学習の動機づけに悪影響を与える様子は確認されなかった。 第2回目の質問紙調査では、1年間の第二外国語学習の後、概ね読む力が伸びている一方、話す力については対象者自身が「このような場面であれば〇〇語で話せる」という実感があまりないことが明らかになった。 インタビュー調査においては、大学1回生である調査対象者が、それぞれ独自・個別の理由で第二外国語を履修し、第1回目のインタビュー時には熱心に学習する様子がみられた一方、1年間の学習後、第2回目のインタビュー時には理解不足から学習意欲が低下する様子もみられた。質問紙調査では詳細がわからなかった、英語・第二外国語の学習や動機づけの様子の詳細を明らかにするとともに、質問紙調査で大きな傾向としてみられた、英語の英語以外の言語学習動機づけへの悪影響がない理由を明らかにすることができた。 これらの結果については、多言語・多文化関連の国際学会で既に発表を済ませたところであり、今後は論文の出版につなげたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021度は予定していた質問紙およびインタビュー調査をそれぞれ2回行った。これにより、英語およびその他の外国語学習の動機づけと、国際共通語としての英語に対する態度の関係性がどのように変化するか、また今後の外国語授業をどのように改善できるかを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度実施した質問紙およびインタビュー調査について学会発表および論文出版を行うとともに、インタビュー調査については、引き続き縦断的研究としてデータ収集を続ける予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に実証研究が遅れたため次年度使用額が生じた。引き続き、インタビューデータ収集の際に必要となる謝金とともに、論文の英文校正費用として使用する予定である。
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