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2021 年度 実施状況報告書

英語学術講義のムーブ分析に基づくEAPリスニング教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K13295
研究機関京都府立大学

研究代表者

細越 響子  京都府立大学, 文学部, 准教授 (40750576)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワードEAP / アカデミックリスニング / 講義 / ムーブ分析 / メタ談話標識
研究実績の概要

本研究は、英語学術講義のムーブ分析を行うことで、学術目的の英語(English for Academic Purposes: EAP)の音声言語の論理展開の傾向を明らかにした上で、談話の把握を重視したEAPリスニング教材の開発を行うことを目的とする。2021年度は以下のことを行った。
1. 英語学術講義のムーブ分析:まとまった長さの英語講義の事例として前年度より分析を進めている、ミシガン米口語コーパス(MICASE)の講義を対象に談話展開(ムーブ)の分析を進めた。具体的には、Hyland(2005)のメタ談話標識(Metadiscourse markers: MDM)リストを基準にMDMタグを機械的に付与したMICASEデータについて、MDMタグの出現頻度や範囲を詳細に検討した。その結果、話者や話題により出現傾向に偏りがあることや、その品詞や時制についても一定の傾向がみられることを明らかにした。
2. メタ談話標識の質的検討:1.の分析結果の考察から、約450種類のMDMタグのムーブに一定の傾向がみられたため、その代表性について探究を行った。具体的には、自己言及(Self Mention)や転換標識(Transition Markers)などのカテゴリごとに、論理展開をより典型的に反映するMDMを選定することで、ムーブ分析の結果を一般化するための質的検討を進めた。
3. 関連学会への参加:国内外の関連学会に参加し、EAP、談話、リスニングといったキーワードを手がかりに最新の研究動向を把握した。とりわけ、オンライン講義が急速に普及した現在、アカデミックリスニング技能の育成とそのための教材開発が急務であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画通り、まとまった長さの英語講義の事例としてMICASEの学術講義スクリプトを対象とし、メタ談話標識にタグを付与することでムーブ分析を進めるとともに、その出現傾向や範囲を検討することができた。一方で、産前産後の休暇により研究を中断したため、これまで独立して検討を進めてきたTED TalksとMICASEのムーブ分析の結果を比較検討し、学術講義における典型的な談話展開と共起表現を整理することまでは完了できなかった。

今後の研究の推進方策

研究再開後は、前年度まで個別に進めてきたTED TalksおよびMICASEの英語講義を対象とするムーブ分析の結果を比較することで、学術講義ジャンルの典型的な談話展開とそこで使用される表現の探究を進める予定である。
2021年度のメタ談話標識の質的検討の成果を活かし、代表性の高いMDMを中心に両者の講義コーパスにおけるムーブ展開の類似性や、一方に特徴的に出現するムーブを個別に分析する。分析にあたっては、初年度に収集した言語コーパス分析に関する先行研究の方法論を参照して作業の効率化を目指す。

次年度使用額が生じた理由

国際学会および国内学会参加のための旅費を想定していたが、昨今の社会的情勢によりオンライン開催となったため、支払いの必要性がなくなった。次年度の旅費に充当する。

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公開日: 2022-12-28  

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