動機の変動に与える影響とそのプロセスの検討について、研究者はそれぞれの教員の現場での授業中の学習者の動機変化のプロセスというものについての検討というのがほとんどされておらず、2021年度については、それを中心に解明を進めることとした。 高専での授業中のモチベーションの変化ということについては、授業開始時にややモチベーションが上がり、中盤から終盤にかけて下がっていくという傾向をつかむことができた。そして、高専に入学してからモチベーションが上がったと回答している学生はそうでない学生と比べて、高専でやる気を持って授業に臨んでいた。高校と違って90分授業であり、見過ごすべきではない検討である。 本研究によって、効果的な英語授業のために、それぞれの時間帯における学習者のモチベーションについては検討すべき重要なファクターであること、そして教師の行動も学習者の動機づけ変化プロセスに確実に起因していることなどを垣間見ることができた。高専に入ってきてからやる気が上がったという参加者も多数いたことから、興味を喚起できるような授業内容の工夫、理解を施す丁寧な説明、目標を認識させることなども大いにモチベーション低下を防ぐものになるということも分かった。 特に、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインの授業というのも複数回実施され、他の学生との交流も難しく、モチベーションの低下につながる恐れもあることが示されたのも新しい発見である。また難易度や一方的な説明になりがちなことも中学の授業と比べて注意を払う必要がありそうだ。授業時間が違うこともあるため、やはりそれぞれの時間帯における学習者のやる気の把握は大切で、そういったことに注意を払うのも重要だといえよう。
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