研究課題/領域番号 |
19K13314
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研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鈴木 章子 (鈴木章子) 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00760539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | TBLT / task modality / CBI |
研究実績の概要 |
本研究では、言語学習と内容学習を統合的に行い、文脈化された中での言語学習を目指すContent-Based Instruction (CBI)やContent and Language Integrate Learning (CLIL)の授業作成法を参照し、高校生年代にあたる学生を対象に内容言語統合型ユニットの作成と授業実施を行った。現在までに、CBI・CLILをフレームワークとした授業実践の内容と学習者の受け止め方については国内においても知見が積み重ねられつつあるが、学習者言語への影響についてはさらなる実証データの分析によって検証される必要がある。また、授業を構成する1つ1つのタスクに焦点を当て、タスク実施の過程でどのような学習者間のインタラクションが起き、学習につながっているか詳細に観察する必要がある。 2021年度は、日本国内のCBI・CLIL論文の文献調査を再度行い、論文作成の基礎情報の収集を行った。多くは実践報告として発表されており、言語的側面の分析としては語彙学習、文法項目の学習、ライティングによるアウトプット能力の測定等がこれまでに検証され、CBI・CLIL授業を通して変化が見られることが確認された。あわせて、2021年度に分析し明らかとなった学習者のインタラクション中の言語面への注意(Language Related Episodes, LRE)がタスクのモダリティによって異なるという点について考察を深め、オンライン開催となった国際会議Euro SLA 30において発表を行った。また、学習者の自発的な受動態の使用を調査するため、筆記による絵描写テストを授業実践後に行い分析をした。その結果、絵描写テストにおいても、口頭にて受動態使用を含む文再話タスクを行ったグループの方が、筆記にて実施したグループよりも正しく使用される受動態の数が多いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は研究最終年度であったが、授業・校務等対応のためデータ分析・論文執筆に遅れが生じた。研究期間を1年延長し、前述の2点を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、口頭による受動態の産出テストのデータ分析を進め、筆記での結果と比較する。今回の研究で取得できたデータの整理を行い、論文全体の構想を練る。合わせて、論文執筆のためのさらなる文献調査を行い、論文を作成・投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった国際会議EuroSLA30がCOVID-19でオンライン開催となり、旅費を使用しなかったため。
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