研究課題/領域番号 |
19K13318
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
BEREZIKOVA TATIANA 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 特任助教(常勤) (20837728)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 少年赤十字 / 国際文化交流 / 国際理解教育 / 国際親善 / 国際通信交換 / Junior Red Cross / 人形 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、少年赤十字の機関誌の調査と分析を通して、世界各国の少年赤十字団員が行った国際文化交流の実態を明らかにするものである。今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大のため、国外における資料調査を実施することができず、昨年度収集した資料の整理と分析、そして研究成果の発表のみを行った。つまり、今年度は当初の研究計画より自ずと遅れが生じてしまったにも関わらず、本研究に関わる成果を挙げることができた。 とりわけ、昨年度実施したアメリカとカナダにおける資料調査の際に入手した資料に基づいて、学術論文(2本)を発表し、研究発表(1回)を行ったほか、2021年6月出版する予定である国際人形交流に関する学術書を執筆する際に、少年赤十字に関する新しい研究成果を取り入れることができた。 前述した学術論文において、少年赤十字の国際文化交流において重要な位置を占めていた人形に注目し、少年赤十字の団員と指導者にとって人形が主要な贈物であった理由を明らかにした。そして、カナダ少年赤十字の歴史的発展、交流相手国、日本との交流、少年赤十字の国際文化交流を通じて達成しようとされた目的など、より詳しい分析を行った。これによって、少年赤十字の目標が各国において統一されていたと言えども、国によって特に重点が置かれた活動や特に望ましいとされた国際交流の成果があったことが明らかになった。これ以降も分析を続けることによって、各国の違いがより明確になるだろう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、本研究の基礎となる少年赤十字の機関誌を、昨年度に計画した箇所を訪問し、調査することができなかった。また、新型コロナウイルスの感染状況が改善するまで、調査を実行することができない状態である。ただ、昨年度の調査の際に収集した資料を分析し、その結果を発表することができたため、本研究に関わる成果を挙げることができた。以上により、(3)の評価とした。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の終息を迎えるようになれば、今年度予定した資料調査を行う予定である。とりわけ、イギリス、赤十字本部が設置されているジュネーブ、チェコにおいて調査を行いたいと思う。さらに、フランス少年赤十字が盛んに国際交流を行っていたため、現在インターネット上で公開されているフランス少年赤十字の機関誌だけではなく、公開されていないフランス赤十字に関連する資料(事業年報、社史、その他の出版物等)の調査を行う予定である。なお、次年度も新型コロナウイルスの感染状況が改善せず、海外調査が不可能になった場合は、すでに入手した資料を分析し続けながら、インターネット上で公開されている資料の収集と分析を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大のため、昨年度計画していた国外における資料調査を実施することができなかったため、残額が生じた。次年度は、今年度予定した資料調査を行い、今年度の残額を旅費として使用する予定である。
|