研究課題/領域番号 |
19K13325
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡安 儀之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (50732351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 絵入新聞社(絵入新聞両文社) / 文明開化 / 読者 / 投書 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実施計画は、日報社と関連のあった政府関係者の史料を収集調査し、日報社の新聞経営と権力との関係を解明することであった。しかし、所属の移転に伴い勤務形態が変わったことや新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年度に引き続き予定していた遠方への実地調査に行くことができなかった。そのため、今年度は2019年度、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫に文献複写を依頼し収集した明治8年~10年までの『東京絵入新聞』の紙面分析を行い、目録作成を進めた。その後、明治11年~15年までの『東京絵入新聞』も収集することができたため、引き続き紙面を分析し目録化を進めている。 以上のように収集した『東京絵入新聞』の調査を実施することで、次のような研究成果を獲得することができた。 (1)草創期の『東京絵入新聞』の作成に関わっていた人々や読者層、またどのような情報が掲載されていたのかなど、その実態が見えてきた。 (2)『東京日日新聞』の紙面との比較分析を行うことで、『東京絵入新聞』の日報社との関係性(新聞としての関係性や読者の視点から見た関係性)が明らかになってきた。また、両新聞はそれぞれ、代表的な大新聞と小新聞と位置づけられ、その性格も異なっている。しかし、『東京絵入新聞』の紙面には、『東京日日新聞』をはじめ、『日新真事誌』や『郵便報知新聞』などの情報も記載されており、大新聞と小新聞の読者層が全く相容れないものではなかったことがわかってきた。 (3)以上の調査結果の一部を3月に開催された近代日本メディア研究会で報告する予定であったが、3月16日夜、福島県沖で発生した地震の影響により、5月22日に延期になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、日報社と関連のあった政府関係者の史料調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大などの影響により、昨年度に続き計画通り進めることができなった。すでに収集した史資料をもとに研究を進めているが、進捗状況としては遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たる次年度は、これまで計画通りに取り組むことのできなかった日報社及びその関係者などの調査を進めながら、順次研究成果を公開(研究報告・学術論文)していく予定である。
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