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2021 年度 実施状況報告書

平安時代後期政治構造の史料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13330
研究機関東京大学

研究代表者

黒須 友里江  東京大学, 史料編纂所, 助教 (20781438)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード左経記 / 春記 / 水左記 / 平安時代 / 古記録
研究実績の概要

『左経記』については、諸写本未調査分の調査を行うとともに諸写本全体の分析を行った。調査したのは国立国会図書館・東京都立中央図書館の4写本で、実見できる写本の調査については完了の目処がついた。『左経記』諸写本としては、抜書(内容を抜粋したもの)を除いて計61の写本の存在が確認でき(うち3つは流布本で最終冊にあたる『類聚雑例』のみ)、諸写本全体の分析はおおむね完了した。
本研究の初期には、写本の構成について①内題(写本に本来付けられていた書名)が「糸束記」=寛仁元年から万寿三年、②内題が「左経記」=大部分が寛仁元年から長元八年、③内題が「経頼卿記」=長和五年から万寿三年の4巻、という内題によるパターン分けが可能であると考えた。しかし、分析を進めた結果以下の二点が明らかになった。第一点は、①には寛仁元年から万寿三年と寛仁元年から長元八年という2種類の構成の写本が存在するが、②とは字配りや首書の特徴から区別されること。第二点は、②の中でも『類聚雑例』を含むものと含まないものがあり伝来過程の違いを反映しているとみられること。
また、『左経記』古写本を中心とした分析結果の一部を論文化したものが『古文書研究』93号に掲載予定である。
『春記』については、インターネット上で閲覧可能な写本を中心に、古写本との関係や取り合わせのパターンを手掛かりとして分析を進めた。
『水左記』については、2020年度に引き続き若手研究「『水左記』註釈の作成による古代・中世移行期の研究」(課題番号20K13178)の研究会に参加し、『水左記』自筆本部分の校訂・註釈を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症流行により写本の出張調査は十分にできなかったが、『左経記』諸写本の分析はおおむね完了した。また、オンライン会議システムの活用により、『水左記』註釈の研究会にも定期的に出席することができた。

今後の研究の推進方策

『左経記』諸写本の分析結果の論文化を優先的に進める。また、写真帳やインターネット上での画像閲覧、郵送での写真入手といった方法に加え、可能な範囲で写本の出張調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行により遠方への出張調査を行えなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度は、感染対策を十分に講じた上で出張調査を再開する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 『水左記』の研究―康平七年九月~一一月―2022

    • 著者名/発表者名
      北村安裕,磐下徹,黒須友里江,重田香澄
    • 雑誌名

      岐阜聖徳学園大学紀要教育学部編

      巻: 61 ページ: 142-125

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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