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2021 年度 研究成果報告書

中世延暦寺における論義法要の実態的研究―法華大会の正当性―

研究課題

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研究課題/領域番号 19K13334
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関大阪大学

研究代表者

長谷川 裕峰  大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (60802361)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード広学竪義 / 法華大会 / 学僧 / 宝地房証真
研究成果の概要

本研究課題では、未翻刻史料群『阿弥陀房抄』にある「法身八相」「三周未来成道」という題目の翻刻作業を通して、本史料群の中に「実際に使用された竪義の論草」と「学習のための想定問答・例講問答」の二系統が併存する点を解明した。これらの題目は、『法華経』の「三周説法」「二乗作仏」という分野から竪義の問題として作成されたものであり、『阿弥陀房抄』の教学的背景、宝地房証真学派との関連性、当該期の法華大会広学竪義における具体的な試験内容を読み取ることに成功した(「証真教学の継承をめぐる一試論―『阿弥陀房抄』法身八相を中心に―」(伝教大師一千二百年大遠忌記念『平安・鎌倉の天台』山喜房佛書林、2021年)。

自由記述の分野

中世仏教史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究で扱った『阿弥陀房抄』は、天台教学の最高権威者である探題が作成した試験問題・受験対策としての練習問題を収録している。そのため、比叡山における教学・修学の実態、特に学僧育成のカリキュラムに果たす論義の役割を解明するのに、大きな手掛かりとなる未翻刻史料群であることが明白となった。中世人の世界観が当該期の仏教教理に多大な影響を受けていた点や、その思想的背景に民衆社会へ積極的に進出していた延暦寺による文化的な動向が関係していた点は、既に先行研究において指摘があった。しかし、それを牽引していた天台学僧の輩出に関する具体的なメカニズムは未勘の課題であり、本研究はその嚆矢と位置付けることが可能である。

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公開日: 2023-01-30  

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