本研究の手法は、国内外の一次史料を収集・解析するアーカイバル・リサーチを採用しており、研究期間中に複数国のアーカイブスを訪問する予定であった。ところが期間中にコロナ禍によって海外への渡航が不可能となったため、それ以前に収集した一部の史料を基に、以下の成果を得た。 第一に、国際連盟発足初期の1920年代前半期において、「連盟派」の外交官が欧州の戦後処理問題にかなりの程度関与していたことである。第二に、集団安全保障機構としての連盟の活動に実行力を持たせるために重要であった国際裁判制度に関する「連盟派」の認識である。総じて、1920年代の「連盟派」の活動の実態について部分的ながら明らかとなった。
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