研究課題/領域番号 |
19K13354
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
横山 恭子 富山高等専門学校, その他部局等, 助教 (50759165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日朝関係史 / 朝鮮通信使 / 対馬宗家文書 / 商人請負制 / 美濃路起宿 |
研究実績の概要 |
令和元年度(若手研究1年目)においては、研究課題「朝鮮通信使迎送体制と商人請負制の展開」に関する成果公表・論文化の作業として、歴史学研究会より依頼されていた研究動向「朝鮮通信使をめぐる研究動向」(『歴史学研究』第996号、2020年5月)の原稿執筆を行った。平成29年10月31日、朝鮮通信使についてユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」に「朝鮮通信使に関する記録」として登録されたが、これに関して歴史学研究会が近年の研究成果の見直しを企画し、研究代表者が依頼を受けたものである。 主に朝鮮通信使に関する研究史整理を、戦前・戦後・近年に分けて行い、その変遷から導かれる課題について史料・理論・政治的背景などを考慮し、まとめていった。特に経済・負担面の研究視角の遅れや近世日朝外交に関する『対馬宗家文書』、ならびに日本国内に残された史料の活用不足を指摘し、地域史料の活用について展望したものである。 なお原稿執筆・論文化の研究成果の公表は、4年目以降の予定であったが、研究代表者の専門分野である上、先方からの依頼であることを重んじ、実施することとした。また執筆に当たっては、近世日朝関係史に詳しい鶴田啓教授(東京大学史料編纂所)より、先行研究や専門用語の表記、注記の工夫など、貴重なご助言を多々得ることができた。 その他、国内史料調査として慶應義塾大学三田メディアセンターにて、「輪番之僧一人御増被成候覚書」『天和信使記録』など6点を、海外史料調査では韓国国史編纂委員会にて「墨附添證文之事」『対馬宗家文書』など17点のマイクロフィルム史料複写を行い、解読・分析作業に向けた史料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度の研究課題を進めるに当たり、主に実施したことは、①研究成果の公表・原稿執筆と、②国内および海外史料調査における近世日朝関係史と朝鮮通信使研究の研究史料の収集(原本閲覧・撮影・複写)、既収集史料の解読作業である。特に韓国国史編纂委員会所蔵『対馬宗家文書』のマイクロフィルム複写では、現地職員より一部電子データの情報を得るとともに、目録の題目からはうかがえない一紙類・書状の内容、通信使行列や人馬負担、特殊な鉄砲証文の存在などを確認することができた。また令和元年度は、上述の成果公表・原稿執筆に必要な史料の確認を優先したため、本来予定していた一宮市尾西歴史民俗資料館の史料調査を後回しにすることとなった。この国内史料調査も既収集史料の解読・分析と並行して、令和2年度に不足分・追加分とともに実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度については①研究成果の公表(学会口頭発表・原稿執筆)、および②国内史料調査(原本閲覧・撮影・複写)を並行して行う。本来、若手研究2年目は、海外史料調査として韓国国史編纂委員会所蔵『対馬宗家文書』の閲覧・複写を計画していたが、日本側の海外渡航の自粛、韓国側の入国制限措置(査証免除停止)などにより、現段階で先延ばしせざるを得ない状況である。日本国内の研究機関・史料所蔵先においても、臨時閉館・休館など研究利用の停止措置が続いており、当面の間、既収集史料の解読・分析、論文化に向けた原稿執筆を優先し、研究に取り組んでいく。従来通りの研究活動・学会活動が可能となり次第、一宮市尾西歴史民俗資料館の史料調査をはじめ、交通史学会、加賀藩研究ネットワークにおいて、学会口頭発表など研究活動を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に予定されていた交通史学会第4回例会の開催中止に伴い、出張予定等に変更が生じたため。新型コロナウイルス感染症の動向を注視し、従来の研究活動が可能となった段階で学会活動・国内出張を再開する。
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