本研究は、16世紀末から17世紀初にかけて、朝鮮王朝と明朝中国とのあいだでやりとりされた外交文書集に関する基礎的研究である。これら外交文書は「吏文」と呼ばれる特殊な文体で書かれ、朝鮮王朝では「吏文謄録」として継続的に編纂が行われてきたが、現存するのは韓国学中央研究院蔵書閣所蔵の『吏文謄録』のみである。申請者はこの文書集の目録を初めて作成し、その構成を明らかにするのみならず、他史料との比較検討を通じて、その歴史的な価値について検討した。本史料の分析を通じて、朝鮮と明との関係について新たな光をあてることができるだろう。
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