| 研究課題/領域番号 |
19K13371
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| 研究機関 | 学習院大学 |
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研究代表者 |
植田 喜兵成智 学習院大学, 付置研究所, 助教 (50804407)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 新羅 / 唐 / 東アジア / 墓誌 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、７～８世紀にかけて朝鮮および中国の両地域で活動した人物の墓誌史料を中心に検討して、当時の東アジアにおける地域間の人的交流の実態を追究することに目的を置いたものである。具体的には、①往来唐人関連資料の分類・整理、②宿衛新羅人の活動とその役割の分析、③熊津都督府・安東都護府などの羈縻州の実態解明の3つのパートを軸にした研究を行っている。
3年目である本年度は、これまで行ってきた各パートに関する資料収集・整理・分析を引き続き実施していくとともに、パート①と③に関係する研究成果の一部を発表することができた。
（１）単著として『新羅・唐関係と百済・高句麗遺民―古代東アジア国際関係の変化と再編』（山川出版社、2022年）を刊行することができた。本書は、往来唐人である郭行節や唐の軍隊の動向を分析することで、新羅・唐間における軍事紛争の実態を明らかにし、熊津都督府や安東都護府に関与した百済・高句麗遺民の存在様態などを追究したものである。
（２）「高句麗遺民墓誌研究の動向と争点」（古畑徹編『高句麗・渤海史の射程』汲古書院、2022年2月）を発表した。最新の高句麗遺民墓誌の研究とその問題点を整理すると同時に、安東都護府と関連する高句麗遺民の動向が突厥、契丹の動向ともあわせて検討する必要性のあることを指摘した。
（３）韓国の学術誌において「日本学界の『翰苑』研究の動向と課題―7世紀資料として活用するために」（『白山学報』120、2021年）を発表した。このなかで『翰苑』の記述が、分析対象となる7世紀の墓誌史料と類似した点のあることを指摘した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3年目は、1・2年目で調査してきた内容を土台にして研究成果を発表することができた。しかし、Covid-19による影響で韓国および中国での現地調査ができていない。とりわけ実際の史料を見ることができていないため、パート②に関する研究が停滞している。
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| 今後の研究の推進方策 |
3年目までに充分な海外調査を実施することができず、事業期間を延長して実施できなかった調査に取り組む予定である。しかし、いまだ海外調査には困難が予測されるため、引き続き図録や発掘報告などに掲載された実物写真や拓本に基づいて調査を行うつもりである。また、これまで口頭発表した内容を論文として学術誌に投稿することや、新たな知見を学会で口頭発表する。加えて、海外の現地研究者・研究機関との情報交換のため、自身の研究成果を積極的に送付したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19による影響で海外渡航ができなかったため、本年度に実施する予定であった海外調査が実施できなかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額については、資料購入の費用や、海外渡航が可能になった際の旅費に使用するつもりである。しかし、渡航制限が続く可能性もあるため、その場合、研究者間の情報交換のために著書、論文などを献本するための費用にあてたい。
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