研究課題
若手研究
本研究の目的は、7~8世紀にかけて朝鮮および中国の両領域で活動した人物の墓誌史料を主に駆使して、当時の東アジアにおける両国間の人的交流の実態を追究することであった。当時の激変する新羅・唐関係のなかで朝鮮半島と中国大陸において人の移動が多数発生した。そこで、彼らに関する墓誌などの出土史料を駆使しつつ、新羅・唐間における人的交流の実態を解明することで、両国関係を東アジアの歴史上どのように把握すべきかを提示できると考えたものである。
朝鮮古代史
従来の一国史的な観点からみたとき、百済・高句麗遺民や往来唐人、および熊津都督府、安東都護府は、朝鮮史研究において周縁的なテーマであった。逆にこれらを主題に置いて研究することで、新たな世界視野の歴史像を提供する点に学術的意義ある。また、本研究の成果は、現在にも影響を及ぼしている東アジアにおける朝鮮半島と中国大陸との関係を考えるうえで重要な知見を提供するものであり、その点に社会的意義があると考えられる。