唐代墓誌にみえる任官データベースは期間内に完成させられなかったが、その基盤を作ることができた。現在も作業を継続しており、可能な限り速やかに完成、公開したい。公開できれば、研究者の基礎的な資料集となることは間違いない。 また、中国の研究者との学術交流によって、公開間もない「阿史那明義墓誌」の画像の提供を受け、その内容を紹介した。阿史那氏は突厥の王族であり、異民族の王族出身者が唐の節度使にどのように組み込まれたのか、また、安史の乱の勃発後、安史政権でどのように活動したのかを具体的に明らかにした。阿史那氏という象徴的な異民族の首長の動きを明示したことは、安史の乱における蕃将研究のモデルケースとなる。
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