研究課題/領域番号 |
19K13381
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研究機関 | 公益財団法人東洋文庫 |
研究代表者 |
小澤 一郎 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50817210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アフガン人 / 武器交易 / 英領インド / イラン / ペルシア湾 / アフガニスタン |
研究実績の概要 |
研究計画の初年度にあたる2019年度は、19世紀末から20世紀初頭までの西・南アジア境界域におけるアフガン人の武器交易の研究に必要とされる史資料の調査と収集を行った。具体的には、2019年8月から9月と2020年2月にイギリスにおいて史料調査を行い、大英図書館と国立公文書館で海軍資料と外務省資料に含まれる19世紀末から20世紀初頭までのペルシア湾における武器交易取締関連文書を調査し、必要箇所を撮影した。 今回の調査により、イギリスのペルシア湾における武器交易規制に関する史料の全体像を把握することができた。しかし、交易に従事するアフガン人の活動を解明するには、彼らの居住地である北西辺境州や、活動の舞台であるバルーチスターンにかかわるイギリス側史料の調査が必要であることも同時に判明した。 また、アフガン人の活動の舞台であるバルーチスターンの西側を支配するイラン側の史資料については、イギリスにおける史料調査を優先させた関係で、日本およびイギリスで調査可能な刊行史料(定期刊行物・旅行記など)と議会議事録を調査したが、これらにはまとまった情報が含まれていないことも明らかになった。イランにおける文書調査の状況は決して安定しているとは言えず、また海外渡航も短中期的には難しい状況であるが、イランにおいても未刊行史料の調査を行う必要があると考えられる。 収集した史料に関する読解・検討も開始しており、アフガン人の武器交易の基礎的情報や、研究上重要と思われる論点の洗い出しが完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は主にイギリスにおける史料調査を行い、19世紀末から20世紀初頭までの西・南アジア境界域におけるアフガン人の武器交易にかかわるイギリス側史料の全体像を把握し、必要箇所を複写することをほぼ完了した。また、一部読解と検討も開始している。イラン側史料に関する史料の調査はあまり進んでいないものの、おおむね研究計画通り順調に進展していると評価してよいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2019年度に収集した史料の読解を進め、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアフガン人の武器交易を総体的に考察した論文を2020年度中に学術誌に投稿予定である。また、関連するテーマとして、2021年6月にポルトガルで開催される国際海洋史学会にて、武器取引規制をめぐる論理を通してイギリスの海洋支配を検討する報告を行う予定である。 大英図書館のインド省記録などに関する追加調査や、イランにおける未刊行史料の調査など、引き続き現地調査を行う必要があるが、現在海外渡航が非常に困難な状態になっているため、2020年度は実施せず、2021年度に延期することを検討している。また、未入手の資料はできる限り電子的手段を用いて複写を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外図書館への電子申請による複写作業が間に合わず、年度中に支払処理できなかったものが生じたため。次年度に行う支払処理に組み入れる予定である。
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