研究課題/領域番号 |
19K13384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川本 悠紀子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (70780881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 古代ローマ / 庭園 / フォーマル・ガーデン / 建築 / ポンペイ / 哲学 |
研究成果の概要 |
本研究は、シンメトリーに植物が配置され、草木が剪定されたフォーマル・ガーデンと呼ばれる庭園の起源が古代ローマ時代の庭園にあるとするこれまでの言説を再検証し、なぜこのような言説が生まれるに至ったのかを考察することを目的とした。なぜなら、発掘成果や、史料・壁画の分析からは、フォーマル・ガーデンらしき要素を古代ローマ時代の庭園に見出すことは困難だからである。本研究により、英国においてフォーマル・ガーデンに見られる迷路のような庭園造形は古代ローマ時代の史料に依拠していなかったことが明らかになった。さらに、ラテン語文献の精査により、哲学が庭園や建築に影響を与えていたと判明した。
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自由記述の分野 |
西洋古代史、西洋古典学、建築学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西洋の庭園に見られる「フォーマル・ガーデン」の起源は、古代ローマにあると考えられてきた。しかし、本研究により16世紀イングランドに登場するフォーマル・ガーデン的特質を持つ庭園造形は、古代の著作が影響を与えるようになる以前から存在していた可能性が高いと明らかになった。また、古代ギリシアの哲学が庭園や建築に与えた影響力の高さも判明した。このように、本研究は文化の伝播とその形成の一側面を示したと考える。
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