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2021 年度 実施状況報告書

亡命期ビザンツ帝国の外交から見た13世紀ユーラシア世界

研究課題

研究課題/領域番号 19K13389
研究機関筑波大学

研究代表者

村田 光司  筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (20793558)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードビザンツ帝国 / ユーラシア / 外交史 / ネットワーク / 古文書学 / アーカイブズ史
研究実績の概要

2021年度は依然として海外での調査・発表が出来ないことから、昨年度に引き続いて文献史料の検討を中心に行った。亡命期ビザンツ帝国のヨアンネス3世治世における外交を総合的に分析するという本研究の性格上、昨年度刊行したホーエンシュタウフェン朝との関係を論じた論考に続き、本年度は従来から進めていた対セルジューク朝関係および対教皇庁関係についての論考をそれぞれ仕上げることが出来た。前者においては従来認識されていなかった新たな人的交流の可能性について論じ、後者では外交文書を用いたコミュニケーションの在り方について新たな視点を提供している。両論文とも、2022年度中に刊行される予定である。
残る大きな課題はもう一つの亡命政権としてニケーアと対立したエピロス政権、およびヴェネツィアを始めとするイタリア諸都市との関係であるが、これについては昨年度の「研究実績の概要」で記した分析を継続した。当初予定よりも遅れるものの、2022年度中には個別論文として投稿する予定である。
一方で、上記のように進めてきた外交研究の土台とすべく、亡命期ビザンツ帝国における公文書の特徴を全般的に刷新する論考を、博士論文の一部を元に準備中であり、こちらも2022年度中の投稿を目指す。
また、副次的な産物ではあるが、本研究に関係するとある写本史料を分析していた際に、これまで教会関連の著作の一部と報告されていた箇所が、実際には9世紀に編纂された年代記からの抜粋であることを発見、論証し、その成果がギリシャの査読誌に掲載された(研究成果参照)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外での調査・発表は出来ていないが、具体的な成果は順調に刊行されつつあるため。

今後の研究の推進方策

2022年度は本研究の最終年度にあたる。「研究実績の概要」に記した、現在準備中の公文書に関する議論は8月にヴェネツィアとパドヴァで開催される第24回国際ビザンツ学学会で報告することが決定している。個別的な論文の仕上げを行いつつ、最終年度ではこれまでの成果を元として、ヨアンネス3世の外交政策をユーラシア規模の枠組みで総括する作業を行い、本研究の最終成果とすることを目指す。

次年度使用額が生じた理由

国際学会用として留保していたが海外渡航が依然として出来ないため。翌年度は、現在のところ渡航の見通しが立っているので、次年度使用額を海外渡航費に充て、翌年度分として請求した助成金は今のところ予定通りに執行するつもりである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] An Overlooked Excerpt of the Chronicle of George the Monk in Codex Parisinus Suppl. gr. 12382021

    • 著者名/発表者名
      Koji Murata
    • 雑誌名

      Parekbolai

      巻: 11 ページ: 113-122

    • DOI

      10.26262/par.v11i0.8216

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] [書評]河内祥輔、小口雅史、M・メルジオヴスキ、E・ヴィダー編『儀礼・象徴・意思決定 日欧の古代・中世書字文化』―西洋史の立場から―2021

    • 著者名/発表者名
      村田光司
    • 雑誌名

      法政史学

      巻: 96 ページ: 94-99

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公開日: 2022-12-28  

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