研究課題/領域番号 |
19K13394
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
地村 みゆき 愛知大学, 経営学部, 助教 (30824065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 米国先住民女性 / 政治力 / イロクォイ連邦 |
研究実績の概要 |
2023年度は、研究対象であるローラ・コーネリアス・ケロッグおよびマリー・ルイーズ・ボティノー・ボールドウィン、ジトカラサに関する一次史料を入手するために、2023年8月にワシントンDCのスミソニアン国立博物館のNational Anthropological Archivesで史料調査を行った。具体的には、まだオンラインデータベース化されていなかった、MS 4271 J.N.B. Hewitt Correspondenceの史料にあたり、イロクォイ連邦の構成部族の一つであるタスカローラ族民族誌学者ヒューイットと、ケロッグおよびボールドウィンとのやり取りを参照した。特に、ケロッグがイロクォイ連邦の大協議会を復活させる取り組みをしている中で、ヒューイットに積極的に情報照会していたのが印象的であった。ヒューイットは最初はケロッグに親身に対応していたが、ケロッグが詐欺で逮捕されアメリカ・インディアン協会を追放されると、彼女を冷たくあしらうようになった。 さらに、2022年1月に『言語と文化』に発表した論文を、アメリカ史におけるイロクォイ連邦の立ち位置およびケロッグの市民権等に着目し、大幅に加除修正を行った上で、2023年10月21日~22日に開催された「先住民族とジェンダー」がテーマの国際学会「第37回北方民族文化シンポジウム網走」の登壇者の一人として研究報告を行った。この国際学会では、アメリカ先住民のみならず、アイヌやモンゴル、ロシアの少数民族とジェンダーについての研究報告がなされた。地域やその歴史はそれぞれに違えど、多数派による植民地主義に同じように直面してきた民族の女性の経験には共通性もあることを改めて認識させられた。筆者によるシンポジウムの報告は、2024年3月に発行された『第37回北方民族シンポジウム報告書』に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度、2021年度の研究の遅れが継続している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年8月に行った史料調査で得た資料を精査し、オンラインのデータベースも活用しながら、研究対象である先住民女性3名の活動について考察を進めていきたい。 その研究成果は、2024年8月に国際学会のパネルで報告することが決定しているため、気を引き締めて研究に取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画書ではもともとアメリカの国際学会での研究報告を行うために予算を計上していたが、国内の国際学会での発表となったため、次年度使用額が生じることになった。
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