研究課題/領域番号 |
19K13397
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村上 智見 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 特任助教 (70722362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 考古学 / 染織品 / 東西交流 / シルクロード |
研究成果の概要 |
本研究では、広く古代日本とユーラシアを舞台に、「どのような染織品が、どこで生産され、どこへもたらされたのか?」を明らかにすることを目的に、紀元前後から正倉院宝物がもたらされた8世紀頃までの染織品に着目し、中央ユーラシア(主にウズベキスタン、モンゴル)出土品の調査を実施した。ウズベキスタンでは初期鉄器時代の土器布圧痕、および8世紀初頭の炭化繊維製品の調査を進め、これまで知られていなかった様々な種類の高品質な織物を確認した。モンゴルでは柔然期および羈縻支配下のトルコ系遊牧民の織物の分析をさらに詳細に進め、シルクロードにおける織物の広がりと騎馬遊牧民の織物文化について重要な成果が得られた。
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自由記述の分野 |
考古学、文化財科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
美術的価値のある高級染織品に加えて、従来ほとんど着目されることのなかった単純な技法の染織品や断片にも着目し、発掘現場において織物を保存処理するなど資料の増加を図った。また未報告資料を網羅的に調査した。その結果、これまで知られていなかった様々な種類の織物を明らかにすることができた。将来的にシルクロードにおける織物の流通・生産および織物産地を特定する上で重要な情報を得られたことに学術的意義がある。社会的意義としては、大陸の影響を受け発展してきた古代日本文化を知る上でも必要な研究であり、日本人が自らの歴史・文化の成り立ちを知る上でも意義ある成果と考える。これらの成果は講演会などで積極的に発信した。
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