研究課題/領域番号 |
19K13402
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小茄子川 歩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任准教授 (20808779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インダス文明 / 社会構造(初期都市と農村の関係性) / 生産様式と交換様式 / 貨幣と価値 / バッファ / 亜周辺 / 国家に抗する社会 / 南アジア基層社会文化・政治経済史 |
研究成果の概要 |
インダス文明の社会構造の一側面の理解を目的として、インドにおける現地調査と国内における研究を実施し、当文明社会の初期都市と農村の実態及び両者の有機的関係性に関する基礎的な検討を行なった。 その結果、初期都市を中心とし、それらを結節点とする初期都市結節型広域ネットワークに関連する44遺跡と、文明期においても既存の伝統地域文化を各地で保持・温存し続けたと推察されるその他の1,000ヵ所ほどの農村/伝統地域社会を、それぞれに特徴づけた生産様式及び交換様式が大きく異なっていたことが示唆された。
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自由記述の分野 |
比較考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究の成果は、インダス文明の社会構造が、生産様式はもとより交換様式も異にする、初期都市/初期都市結節型広域ネットワークと農村/伝統地域社会の有機的関係性に基づいた、「統一性」と「多様性」のせめぎ合い/均衡構造に特徴づけられる多中心的な二重社会という側面をもつ、という国内外の既存の「常識」とは大きく異なる新理解に繋がる基礎的なデータとなる。 さらに生産様式と交換様式を異にする初期都市と農村の有機的関係性を理解するための異なる「価値」を接続/転換させるための「バッファ」という社会のアレンジメント方法の考究、そして都市や文明とは何か、という人類史における普遍的な問いへの答えにも繋がる。
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