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2020 年度 実施状況報告書

製墨技術の変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13413
研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

岡見 知紀  奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (10739147)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード墨 / 製墨 / 走査型電子顕微鏡 / ラマン分光法 / 楽浪郡 / 板石硯 / 墨書
研究実績の概要

2020年度は、製墨技術の変遷を知る上で重要となる初期資料の調査を重点的に実施した。特に、近年確認例が増えている弥生時代硯資料および、その比較資料となる楽浪郡出土資料の調査を実施した。日本列島出土の硯とされる資料については、走査型電子顕微鏡による黒色付着物調査の結果、古代以降に確認できるような墨粒子は確認できなかった。一方で、楽浪郡出土石製硯については、走査型電子顕微鏡観察の結果、古代以降の墨と同様の球形状の粒子が確認できた。2021年度では、国内出土資料および楽浪郡出土資料の調査数を増やす予定をしている。
また、走査型電子顕微鏡観察と平行して、赤外分光法やラマン分光法による調査も開始した。2021年度からは、奈良先端科学技術大学院大学と協力し、出土した墨の特性調査を実施する予定である。
古代以降の墨については、福岡市において在地土器に書かれた墨書と輸入陶磁器に書かれた墨書の比較調査を実施した。調査は走査型電子顕微鏡観察を実施し、現在調査結果を取りまとめ中である。
当初計画にあった海外資料の調査については、コロナウイルス感染拡大の影響により、実施が難しいと判断し、国内所在の海外由来資料の調査および資料のリストアップを実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウイルスの感染拡大により、海外渡航が制限されたため、予定していた資料調査を変更し、国内での調査を中心に予定を変更した。
国内だけでの調査という点で制限はあるが、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き、古代以降の資料に加え、弥生時代から古墳時代の資料および楽浪郡の資料の調査を実施していく予定である。また、従来実施してきた走査型電子顕微鏡観察に加え、赤外分光法やラマン分光法など新たな分析法についても進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの感染拡大により、都道府県を跨ぐ移動や海外渡航が制限されたため、予定していた資料調査および事前協議が実施できなかった。
海外旅費分を国内調査に割り振って実施予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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