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2023 年度 実績報告書

古代DNAと文献史料から迫るタンチョウの歴史:過去の分布と遺伝的構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K13415
研究機関北海道大学

研究代表者

久井 貴世  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00779275)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードタンチョウ / 古代DNA / ツル科 / 歴史鳥類学 / GIS
研究実績の概要

本研究は遺跡から出土するタンチョウの骨と文献史料に記載されるタンチョウの記録を用いた調査を実施し、タンチョウの歴史的な分布と変遷、および過去のタンチョウと現生の北海道のタンチョウの遺伝的な関係性を解明することを目的とするものである。
2023年度は、試料の所蔵機関において遺跡出土のツル科の骨の観察と計測を実施し、前年度までに得た現生のツル科の骨の計測結果に基づいて同定を行なった。発掘報告書にタンチョウの記載がある遺跡のうち、青森県、富山県、鳥取県の各1遺跡の試料を調査対象とした。現生のツル科の骨の計測サイズおよび形態と比較した結果、青森県の14の試料のうち8件、富山県の5の試料のうち0件、鳥取県の6の試料のうち5件をタンチョウと同定した。残りの試料では、タンチョウ以外のツル科と同定した試料が青森県で2件と鳥取県で1件、残存箇所や破損の程度によって同定ができなかった試料が青森県で4件と富山県で5件確認できた。
ツル科の骨の出土は1都1道2府26県で記載があり、そのうちタンチョウは北海道、青森、岩手、宮城、福島、東京、茨城、埼玉、千葉、神奈川、愛知、静岡、大阪、石川、富山、鳥取、福岡で記載があり、青森、鳥取は試料の実見によりタンチョウであることを確認できた。岩手、愛知、大阪、石川、富山は文献資料からはタンチョウの分布情報が得られていなかった地域であり、遺跡試料により新たな分布情報を追加することができた。ツル科の骨は縄文時代から近代まで、現代の分布域よりも広い範囲で出土していることが確認できたが、出土している時代のデータの偏りが大きく、分布の変化を捉えられるだけの結果は得られなかった。本研究では古代DNA分析を行なう計画であったが、コロナ禍における調査の遅れから実施に至らなかった。DNA分析への試料の提供については管理者との交渉ができているため、今後継続して調査を進める計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 江戸時代の鳥類について歴史資料から何がわかるのか:北陸地方の資料を事例として2023

    • 著者名/発表者名
      久井貴世
    • 学会等名
      日本鳥学会2023年度大会

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公開日: 2024-12-25  

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