| 研究課題/領域番号 |
19K13425
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| 研究機関 | 山梨県立博物館 |
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研究代表者 |
山田 英佑 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (30748968)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 動物利用文化 / 琉球列島 / 食性推定 / 幾何学的形態学 / イノシシ / ブタ / 動物考古 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、考古遺跡から出土した動物遺存体に対する食性復元と、幾何学的形態解析手法を併用することで、ヒトと動物の関係性にみられる時空間変遷を明らかにすることを目的とする。当該年度は、沖縄県立埋蔵文化財センターに収蔵された出土資料のうち、特にイノシシ類を中心に、歯の表面に残された微細な傷の立体形状を計測し、ヒトに飼養された個体の特徴である、傷の深さと体積の増加がみられる出土資料の探索にあたった。また、共焦点レーザ顕微鏡で歯の表面の三次元座標を計測し、専用ソフトウェアで「表面粗さ（ISO25178）」パラメータを計算し、遺跡間、時代間の定量的な比較を行った。さらに、これまでの研究成果を取りまとめた論文を執筆した。
一方、上記資料群のうち、下顎の歯を咬合面から撮影し、画像の輪郭線上に標識点を等間隔に設置して、対応する標識点の間の幾何学的距離を算出することで、遺跡間の類似度を評価した。同時に、生息地域が既知の現生イノシシ集団とも同様の比較を実施し、各出土資料の来歴を推定するための予備的調査結果を得た。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた出土資料の調査は、おおむね実施することができた。調査を進める過程で、新たな資料を追加する必要性があきらかとなったことから、次年度以降の調査計画を修正して、より頑健な理論の構築を目指す。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず、飼料品目や給餌方法にみられる地域差を明らかにするため、各豪族の遺構から出土した草食獣の歯をもとにした食性復元を行う。そして、草食獣と同じ遺跡から出土したイノシシ類の磨耗痕を、草食獣の食性から推定された植生下に放牧された、現生の家畜ブタのものと比較する。また、遺跡から出土したイノシシ類の歯がもつ形態学的類似性を、沖縄諸島と先島諸島の間、さらに周辺地域との間で、時代順に比較する。比較資料は、各地域における中心的な研究機関が所蔵するコレクションを対象とする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、これまでに蓄積してきた研究成果のとりまとめを先行して実施した。その結果として発生した次年度使用額は、国内外の研究機関における資料調査等に係る経費を中心に使用していく計画である。
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