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2022 年度 実施状況報告書

ICT技術を用いた個人的コンテキストに応じた展示解説の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13430
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

中村 麻友美  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (60811289)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード展示解説 / ICT / データベース
研究実績の概要

令和4年度は、時代・作者・ジャンル・影響関係・画題などから、作品同士の関連性の高さを示す所蔵作品のデータベースの作成に着手した。
既存の公開データベース(ColBase)をもとに情報を整理し、名寄せの作業を進めるところから始めた。また、約12万件のうち、どの作品を対象にするかという検証を行い、その長短に関わらず解説文がある1万件程度を対象にすることとした。
その後、関連性の高さを割り出す段階に進んだ。まずは純粋に作品の解説文同士を比べて同じ用語の登場頻度を割りだそうとしたが、一文字の語句や意味のない文字の羅列に影響されてしまうという問題が発生した。言葉の整理をし、何度か方法を変えて試してみたが、改善が見られなかった。
そこで、意味のある語句であり、かつ日本の歴史や美術に関連の深いものが載っている用語集を辞書代わりに用い、類似度評価の試作を試みた。(例)作品「鳥獣戯画断簡」に辞書項目「鳥獣戯画」が紐付く。他の作品で、解説文の中に辞書項目「鳥獣戯画」が紐付いている作品を探す。作品を比較した時に、紐づいている辞書項目が多いほど類似度が高いとする。その結果、まだ改善の余地はあるものの、一定の効果が見られた。なお、用語集は、山川出版社にご協力いただき、『日本史用語集 改訂版』を使用している。
アプリについては、利用者の声をヒアリングし、デザイン(ユーザーインターフェース)部分を大幅に改善した。一方で、ビーコンが相互に干渉したり、館内のWi-Fi環境によって
アプリが中断されてしまうことは改善せず、やはり現在のリソースでは利用者の位置情報を正しく把握することは難しいという結論に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は令和4年度中に情報整理を終え、令和5年度にはすぐにデータベースに実装する段階に入る予定であった。しかしながら、元々のデータの名寄せ作業や、作品同士の類似性を割り出す方法にたどり着くまでに想定よりも時間を要した。

今後の研究の推進方策

今後は、作成中のデータベースについて明確なノイズはのぞいた上で、類似度による重みをつける等して類似度評価の精度をあげていく。その後、検索インターフェースの実装を行う。
データベースは期間を区切りプロトタイプとして公開する予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度中にデータベースのロジック設計 ・ 開発の発注をしたが、予定よりも進捗が遅れていることから年度をまたいでの納品となった。納品次第、所蔵品検索アプリケーションの開発の発注をする予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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