研究実績の概要 |
2020年度は(1)北陸地方の山間地を事例にした農地利用の維持・放棄システムに関する研究,(2)トカラ列島口之島を事例にした牧野利用の維持システムに関する研究,(3)小規模産地における農産物の消費形態に関する研究,(4)農業をめぐる諸主体間の社会ネットワークに関する方法論の検討に取り組んだ。 (1)については,これまでに実施していた調査の中から,本研究の分析に使用可能なデータをピックアップして小論を作成し,Shoji, G.,Yoshida, K.,Yokoyama, S. and Thompson, E.2020.Transition of Farmland Use in a Japanese Mountainside Settlement: An Analysis of the Residents’ Career Histories. Geographical Review of Japan Ser. B:15-26として公表できた。(2)については,これまでの分析をもとにを得られた研究成果を国際地理学連合主催Inter National Geographical Congress in Istanbul 2020にて発表する予定だったが,新型コロナウイルス感染症拡大にともない学会の開催が延期された。そのため本研究については,分析結果の精緻化に取り組み,国内学会等での公表を視野にいれている。(3)については,奧能登地域における農産物の地産地消について,飲食店への聞き取り調査から地場農産物,海産物の利用状況に関するデータを収集し,現在,分析中である。分析結果から得られた予察を,地理科学学会で口頭発表する予定である。(4)については,内外の既存研究のレビューをもとに方法論に関する展望論文を執筆中である。この他に,本研究で応用するための方法論について関連研究が英文叢書に掲載された(Yoshida, K. 2021. Examining Geographical Methods for Analyzing Relationships Among Actors in Fishing Ground Use. Ikeguchi, A., Yokoyama, T. and Sakita, S eds. Adaptive Fisheries Governance in Changing Coastal Regions in Japan. 21-43. Springer.),
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