研究課題/領域番号 |
19K13447
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
横山 貴史 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (70710151)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TURF / 沿岸漁業 / 資源管理 / Area de Manejo / チリ / チリ中部 |
研究実績の概要 |
2019年度は6月23~7月1日にかけて、チリの沿岸漁業に関する研究を行っているSebastian Tapia Lewin氏(Phd candidate, Bren School, University of California, Santa Barbara)の案内の下、チリ沿岸の漁村を回り聞き取り漁民に対し聞き取り調査を行なった。チリの沿岸漁業では、特に漁獲努力量に対する利用圧の大きな底生資源に対して、「Area de Manejo」という資源管理政策がとられており、漁業者コミュニティ(Caleta)に対して排他的漁業権(TURF)を許可し、漁民と科学者・行政が共同資源管理を行うという管理政策がとられている。本研究テーマはマプチェの沿岸漁業と先住民漁場利用政策との関係であるが、非先住民である一般的なチリ人の沿岸漁業の実態を見ることは大変有益であった。 現地調査では、チリ中部(第4~6州)のくつかの漁業者コミュニティを回り、Area de Manejoの効用や、現在の問題点、漁民の主体的な付加価値化・商品化の実例について理解を深めた。コミュニティによっても実態は異なるが、主に大都市に近く、別荘地が形成されるなど観光化が進んでいる地域では水産物の販路が豊富でありことから、漁業者コミュニティの活発な活動が確認できた。また、遠隔地であっても、近年はサーフィンスポットや別荘地などの沿岸開発が進んでいた。これらのムーブメントが沿岸漁業とどのような関係にあるのかについても興味深いテーマとなる。 さらに、研究テーマに関連する文献調査・統計情報の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、大学の春期休暇中に再度チリに渡航し、マプチェの沿岸漁業に関する本調査を進めていく上で予備調査を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により大学春期休暇に海外出張を行うことが困難となり、見送ることにしたため、若干遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、チリに渡航し、マプチェのコミュニティを訪問して調査を行いたいと検討している。しかし、新型コロナウイルスの世界での状況を見極めて実施することとしたい。渡航が難しい時期の間は、統計資料や文献資料の整理にあたりたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想以上に6月調査について旅費および人件費(案内に関わる謝礼等)が低く抑えられたことがある。具体的な理由としては、まずチリ渡航中に地方の沿岸漁村を回った際の宿泊の大部分はが案内者であるSebastian氏の自宅に宿泊させてもらったことであった。また、国内移動の際の車もレンタカー等ではなく、同氏の自家用車であったことである。
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