研究課題
若手研究
本研究の目的は、日本・台湾・朝鮮における地図製図・印刷技術の展開過程を明らかにすることである。近代的な地図は、測量技術の高度化とともに、印刷技術の向上を受けて精緻化した。地図資料を作製技術という観点から分析する際には、測量技術とともに製図・印刷技術への着目が必要である。本研究では、美術史学(印刷史)の成果を参照しながら、地図印刷技術の具体像や技術者の動向について明らかにした。
歴史地理学
本研究では地理学と美術史学との分野間の交流を目指した。地図の印刷技術は、専門領域が細分化された従来の枠組みでは十分に把握されてこなかったが、そこに地理学上の重要性を見出した。また、その成果を所属機関で開催した展覧会を通じて公表した。現代社会において、地図のかたちは紙の地図からデジタルマップへと移りかわりつつある。その変化を理解しようとする取組は、現代社会の立ち位置を再認識するための意義深い契機となるであろう。