研究課題
若手研究
近年、東アフリカではエボラ出血熱、リフトバレー熱、マールブルグ病などの人獣共通感染症がたびたび流行している。人獣共通感染症とは、同一の病原体によってヒトとヒト以外の脊椎動物の双方が罹患する感染症であり、グローバルヘルスの新たな脅威として一国の範囲を越えた対策が進められている。本研究では、とくにケニアのリフトバレー熱対策を対象として、植民地期から現在までの人獣共通感染症対策がどのように変遷してきたのかを明らかにした。
アフリカ地域研究
東アフリカの人獣共通感染症対策について、従来の研究では対策の有効性やそれが直面する課題などについて検討されてきた。それに対して、本研究ではアフリカ連合・動物資源局(AU-IBAR)、ケニア公文書館、ケニア農業畜産開発省資料室、大英図書館、オックスフォード大学ボドリアン図書館などの資料とフィールドワークによって収集したデータに依拠しつつ、国家統治との関連でこの対策がどのように展開してきたのかを明らかにし、新たな視点を提示した。