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2023 年度 実施状況報告書

現代中国における少数民族女性の稼得労働とエスニシティに関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13470
研究機関南山大学

研究代表者

宮脇 千絵  南山大学, 人類学研究所, 准教授 (30637666)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード少数民族 / 女性 / 稼得労働 / エスニシティ / 中国
研究実績の概要

本研究の目的は、急激な経済成長を遂げる現代中国において進展する少数民族女性の稼得労働の変容およびライフコースの多様化を、エスニシティとの関係性から明らかにすることであった。
女性の生き方やライフコースは、主に社会学において伝統的家庭観や家庭における女性の役割、性別分業の変化や是非に焦点が当てられて論じられてきたが、本研究では、人類学的視点から、女性の主体性を持った生き方の選択を明らかにすることを目指している。そこには、個々人のリアリティを伴った日常的行為やその内なる論理へ着目することが求められる。
そこで本研究では中国雲南省において、モン(ミャオ族)女性が展開するモン衣装販売の状況を中心にフィールドワークをおこなう計画であった。当初は、これまでも継続的に調査をおこなってきた雲南省文山州において、統計データにはあらわれない、個別的で多様な女性たちの稼得労働のあり方についてインタビューおよび参与観察をする予定であった。このようなモン女性たちがおこなっている小規模な商業活動を、現代中国を生きる少数民族女性の多様な稼得手段の展開とライフコースの変遷に位置づけ、その様相を明らかにすることを目指していた。しかし2023年度も、新型コロナウイルスの影響、およびビザ取得の面で日本人の中国渡航が難しい状態が続きフィールドワークが実現しなかった。
本研究のテーマは、申請者にとって新規的なものであり、フィールドワークをおこなわずに成果を出すことは困難である。そのため今年度は、本研究が対象とする中国少数民族の衣装の表象に関し、これまでの研究をまとめること努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の遂行には現地調査が必須だが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が緩和されてきた2023年度も、ビザ取得が以前ほど容易ではなくなったこともあり、実施が叶わない状態が続いている。調査データが得られないため、学会での口頭発表や雑誌論文のかたちで成果を発表するに至っていない。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の影響に伴う補助事業期間の延長を認められたので、改めて研究計画を見直し、これまでに得られた調査データでの分析、考察を試みる。

次年度使用額が生じた理由

現地調査に行くことができず、旅費の支出がなかったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 特集 ミュージアムと「民族衣装」 序2024

    • 著者名/発表者名
      宮脇千絵
    • 雑誌名

      民族藝術学会誌 arts/

      巻: 40 ページ: 7-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プリント化・手仕事化するスカート : 中国モン(ミャオ族)衣装のオーセンティシティ獲得のプロセス2023

    • 著者名/発表者名
      宮脇千絵
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 88(3) ページ: 523-542

    • 査読あり
  • [学会発表] ミュージアムと「民族衣装」2023

    • 著者名/発表者名
      宮脇千絵
    • 学会等名
      民族藝術学会
  • [学会発表] 少数民族の装い研究から2023

    • 著者名/発表者名
      宮脇千絵
    • 学会等名
      東アジア人類学研究会

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公開日: 2024-12-25  

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