本研究は、ヨーグルトの価値形成を題材として、日本と韓国との比較から東アジアにおけるヨーグルト食文化の形成を解明するものである。乳食文化形成を国家政策、企業戦略、消費者の認識が絡み合った過程として捉え、ヨーグルトをめぐる情報の創造におけるそれぞれが及ぼしている影響を明らかにした。このように、主に家庭で作られる伝統食品として記述されてきた乳製品を「ブランド」として取り上げ、その意味づけを現代の社会文化的枠組みのなかで国家・企業・消費者の相互作用から捉えなおし、乳食文化圏外にある社会の視点から乳製品の現代的意義を論じた。
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