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2023 年度 実績報告書

芸能教育の学校化の効果とその応用に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13475
研究機関関西国際大学

研究代表者

清水 拓野  関西国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40791520)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード創造性の育成 / 伝統の変容 / 伝統の継承 / 徒弟教育 / 学校化 / 無形文化遺産 / 俳優教育
研究実績の概要

本研究は、文化人類学の視点から、中国伝統演劇・秦腔の俳優教育を事例分析し、伝統演劇教育の学校化の特徴と長短を明らかにすることが目的であった。そして、国営、民営、中央政府所属の中等演劇学校という3種類の演劇学校の比較分析をもとに、芸能教育の学校化の理論モデルを構築し、学校教育を通して伝承される無形文化遺産芸能の保護・伝承問題への応用を目指してきた。
最終年度は、西安の秦腔演劇界にて、上記3種類の演劇学校を訪問し、文献の収集を行うとともに、授業実践の参与観察や教育関係者へのインタビューも行った。インタビューに関しては、新たに20人の俳優に対して、下積み修業や芸歴に関するインタビューすることができた。一方、芸能教育の学校化概念を理論的に緻密化するために、能楽の研究者との共同研究も継続し、ICBEITなどの国際学会で成果発表もした。また、発表内容の一部は、『関西国際大学研究紀要』でも公表している。
研究期間全体を通じた研究成果として、上記3種類の演劇学校において、わざや身体的技能の教授・学習という観点から、学校化の特徴と長短を微視的に把握することができた。本研究に先駆けて行った関連研究では、徒弟制から近代学校へと変化した秦腔の俳優教育の学校化は、①師弟関係の脱封建化、②教授法の理論化、③学習(修業の場)と労働(上演の場)の分離、であるとしていた。しかし、本研究では、俳優の演技の創造性を促進するための仕掛けがより学校化した教育組織では特に顕著であることが分かった。そして、秦腔のような無形文化遺産化した芸能にとって、伝統の継承のみならず、伝統の革新も重要であることから、創造性の育成がどのような条件下で促進されやすいかについて、能楽などの他の芸能とも比較考察した。その成果は、すでに『関西国際大学研究紀要』を始めとするいくつかのジャーナルで公表している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Educational Anthropological Study on the Transmission and Change of "Tradition": Traditional Performing Arts Viewed from the Perspective of Authoritative Knowledge2024

    • 著者名/発表者名
      清水拓野
    • 雑誌名

      『関西国際大学研究紀要』

      巻: 25 ページ: 65-77

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] "The Comparative Study on the Formation of Identity of Mastery in Chinese and Japanese Performing Arts: With a Focus on the Concept of the Hidden Curriculum"2024

    • 著者名/発表者名
      清水拓野・西尾久美子
    • 学会等名
      International Conference on Business, Economics and Information Technology (ICBEI)
    • 国際学会
  • [図書] 中国民族誌学: 100年の軌跡と展望2024

    • 著者名/発表者名
      河合洋尚・奈良雅史・韓敏
    • 総ページ数
      434
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      4894893592

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公開日: 2024-12-25  

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