本研究では、秦腔演劇学校の成功事例に基づき、無形文化遺産芸能の後継者育成に有効な人材育成法を提案する。この方法は、他の無形文化遺産芸能の保護・継承問題にも応用できる。また、教育現場の実践に注目した教育学的視点からの議論が少ない中で、文化人類学とその関連分野における無形文化遺産研究に貢献する。本研究は、わざや身体的技能の習得に関する知見も応用して、学校教育現場の教授・学習過程を詳細に分析する。これにより、徒弟制など非学校的教育形態を対象とした従来の研究の発展にも寄与する。さらに、「芸能教育の学校化」の特徴を明らかにすることで、「学校化」や「教育の近代化」に関する教育学的研究への貢献も期待できる。
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