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2022 年度 実施状況報告書

レソトにおけるジンバブエ移民行商人の会計方法にかんする人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13478
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

早川 真悠  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (20720361)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード経済人類学 / レソト王国 / ジンバブエ移民 / 行商 / 会計 / 人類学
研究実績の概要

本研究の目的は、南部アフリカにおける人びと「固有の会計方法」を明らかにすることである。具体的には、レソト王国に住むジンバブエ人移民の行商活動について、彼ら独自の会計方法(価値の計量、財産管理、取引記録)に焦点を当て人類学的調査をおこない、その結果を近代会計や監査制度と比較する。
本来は昨年度が最終年度だったが、感染症流行の影響で現地調査が予定通りにできず、今年度まで期間を延長した。今年度5月には行商人たちに遠隔インタビューを行い、帳簿にかんする資料を入手した。インタビューと資料から、掛売り時や未払金の回収時の日付の記録があいまいにされること等が分かり、一般的な簿記の方法とは記録の仕方が異なること、支払い遅延に際して損害金を請求するために滞納日数を使用するという発想がないことが明らかになった。また、3月にはジンバブエへ行き、かつてレソトで行商をしていた人たちに直接会って近況を聞き、生活環境や経済状況について確認した。かつて家族4人でレソトに住み行商をしていた一家は、新型コロナ感染拡大の影響で現在はレソトでの行商を辞め、ジンバブエの首都ハラレに生活拠点を移している。レソトで購入した繊維製品をあつかう商売やジンバブエとレソトとの越境貿易をおもな生計手段としていた。
新型コロナの影響で行商人を取り巻く環境は大きく変わった。レソトでの行商について現地調査が十分に行えず、彼ら「固有の会計方法」を明らかにするまでには至っていない。しかし、世界規模での感染症拡大という大きな変化のなかでも人びとはこれまでの経験や人脈、技能を活用しながら柔軟に対応し、困難ななかでも生活を維持していることが分かった。また、感染症拡大だけでなく国内の経済情勢やインフラ環境がひどく悪化しているジンバブエでは、生活を維持するために海外とのネットワークが重要であることも再確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

(1)新型コロナウィルスの流行により現地調査が計画どおりできていない。
(2)新型コロナ感染拡大の影響により、調査対象であるジンバブエ人の行商人が経済活動を継続できなくなった。

今後の研究の推進方策

・課題期間を1年延長する。
・研究対象をジンバブエ人の国外移住、越境貿易等にまで広げて研究を進める。
・日本国内に住むジンバブエ人の経済活動などについて、現地調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

感染症拡大の影響でレソトでの現地調査が実施できなかったため。
ジンバブエ人の行商活動・経済活動については、引き続きSNSなどで連絡を取りながら、動向を追う。謝金が発生する場合には支払う。
日本在住ジンバブエ人の経済活動・生活実態について調査をおこなう。

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公開日: 2023-12-25  

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