調査の結果、ジンバブエ移民の行商人がつける帳簿ではしばしば掛売り発生日や遅延金の支払いがなされた日付の記録があいまいになることが分かった。この点は一般的な簿記とは記録の仕方が異なっており、支払い遅延の損害金計算のために遅延日数を使用するような発想がない可能性がある。 「会計の公準」についてはしばしばその問題点が指摘されてきた。しかし、会計や簿記において取引の日付を明記し単線的に数値化された時間を前提とする点は、言及さえされないほど自明視されている。しかし一元的な時間を想定し貨幣価値と結びつける発想は、(南部アフリカの)人びとの会計を踏まえれば、相対化してとらえる必要がある。
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