研究課題/領域番号 |
19K13487
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
藤川 直樹 神戸学院大学, 法学部, 准教授 (00632225)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 王位継承 / 王室家憲 / 皇室典範 / 公法学史 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に引き続き概ね当初計画に従って、ドイツにおける王位継承法・王室家憲の諸問題の検討を進めるとともに、それと並行して明治皇室典範制定過程に関する史資料の検討、明治大正期の憲法学説における皇位継承・皇室法論の検討を進めた。 具体的な作業としては、①君主が直系後嗣なく死亡し、かつその時点で妃が懐妊している場合について王位継承をどのように行うべきかという、わが国では「胎児の皇位継承権」として論ぜられている論点について、日本及びドイツの学説の理論構造と、それが前提としている基本的な王位継承観念の相違を明らかにすること、②明治憲法学説における皇室法理論、特に美濃部達吉の所謂「二重法説」に比較法的分析を加えること、を中心に研究を進めた。特に①の研究を通じて、日本における皇位継承が君主の死亡時を基準とした継承の論理で理解されているのに対し、ドイツにおける王位継承が客観的系譜順位による王位保持の秩序として理解されていることが明らかとなり、本研究課題にとって重要な手掛かりを得ることができた。 本年度の研究成果は、一部媒体の公刊に大幅に遅れが出たため、公表に至っていないが、昨年度の研究とあわせて、次年度にまとまったかたちで研究公表を行っていく予定である。なお、上記①については「君主が懐妊の妃を遺して死亡するとき――『胎中天皇』・『胎中皇子』の比較近代法史――」と題する論文を本年度中に脱稿し、公表に向けて準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は進展しつつあるものの、コロナ禍の影響により、当初予定していた海外調査が困難となったほか、感染症対策に関わる種々の事柄への対応に追われたため、予定された検討作業を完全には終えることができなかった。また今年度の成果も、同様の理由で公表媒体の公刊に大幅な遅れが発生したため、公表に至っていない。以上から、上記の評価が妥当であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、史資料の検討作業を進め、成果の公表を目指す。但し、現在の感染状況に鑑みる限り、海外調査は2021年度においてもおそらく困難であり、また感染症対策に向けた負担も増加する可能性があることから、研究計画の変更を視野に入れつつ、事態の推移を注視したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査が困難になったため、史資料の収集に注力したが、僅かながら残金を生じた。2021年度は、その間に研究課題に関して検討事項となった若干の問題について引き続き史資料収集に努める。
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