本年度は、研究期間の集大成として、『都市行政の変貌と法』を第一法規株式会社から刊行することができた。この論文集は、変貌を迫られる都市行政を、都市空間の再構成、都市居住の変容、都市紛争の相貌、都市を支える基盤(インフラストラクチャー)という視点から捉え直したものであり、非常に高い意義が認められる。また、共著書として、『市民がまちを育む―現場に学ぶ「住まいまちづくり」』を建築資料研究社から刊行した。 それ以外にも、研究課題に関係する研究実績として、「条例づくりのプロセスと留意点」自治体法務研究69号、「被災者生活再建支援金支給決定取消しにみる職権取消しの適法性―最判令和3・6・4を素材として」行政法研究45号、「災害と住宅支援-行政法から学ぶ」日本労働研究雑誌2022年12月号(通巻749号)、「ソーラーパネル規制条例を巡る課題と展望」ガバナンス2022年12月号を公表した。いずれも、地方公共団体と住宅市場との関係について鋭く考察する論文であり、時宜を得た内容である。 研究課題そのものではないが、少なからず関係する研究実績として、「疲弊する自治体現場に目を向けよ」自治実務セミナー727号、「日本における公企業法の研究史」行政法研究48号、「政務活動費の現状分析」横浜法学31巻3号を公表した。 前年度に引き続き、新型コロナウイルスの影響は強かったものの、対面授業も再開されて、オンライン授業とハイブリッド方式をとるものが多い中、補充的な調査研究なども徐々に再開しながら、論文のとりまとめに精励することができた。
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