本研究の目的に照らし、準手続審査の適用条件を実際に画定すべく、各裁判所の判例や文献を収集するとともに、それらを分析・検討するなどの研究を進めてきた。同時に、準手続審査の前提となる裁量論のあり方に関する検討も進めてきた。本研究期間全体を通じての研究の成果としては、立法府の裁量が――明示的であるか黙示的であるかを問わず――前提にされていることを裁判所による敬譲審査の根拠とする場合に、立法府には敬譲を導き出す条件として、立法の「合理性」を獲得する義務が存在し、裁判所としては立法府の当該義務を、立法過程を通じて適切に履行していると認めることができる場合に敬譲的審査を行うべきであるということである。
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