研究課題/領域番号 |
19K13511
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
周 セイ 久留米大学, 法学部, 准教授 (50633476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 民営化 / 規制 / 公契約 |
研究実績の概要 |
令和2年(2020年)においては、申請者が前年度の研究に続いて考察の対象及び範囲等を再度確認し、研究の方向性を再考しながら関連の資料等を入手する作業を中心に行っていた。 本来ならば、令和2年において、イギリスにおける民営化の際に採用されているフランチャイズ契約をはじめ、民間委託型の契約類型をまとめる作業が行われる予定であり、鉄道事業の関係者にヒアリング調査を計画していたが、昨年に続いて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、海外渡航が基本的に禁止(勤務校における国内・海外への渡航自粛要請もあった)となることに加え、日本とイギリスとの時差や各国の感染状況などに鑑み、先方の担当者とのオンラインヒアリング等が、現実的に極めて困難であったことを言わざるを得ない。 したがって、申請者は、以上の情勢を踏まえて、考察の対象及び範囲について再確認を行い、本年度においては以下の研究作業を行っていた。まず、初年度研究の成果を踏まえて、民営化の際に見られた「経済的規制」と「社会的規制」の関連性について、事業分野の特性に基づきその規制手法の異同及び手法選択の基準を考察してみた。次に、規制の手法として用いられる契約については、特に公法上の観点からみる公契約の種類、性格などを整理し、関連資料を収集する作業を行った。さらに、再度、民営化後の民間主体の経営活動等に関する公の関与について、その合法性の根拠、関与の程度等を、イギリスにける公法上の議論に基づき整理し、分析しようとしてみた。 本年度の研究成果として、まず、客観的な社会情勢によって研究上、計画通りに進まない事項も多く生じてきたが、資料収集の作業を中心的に行い、一部の洋書及び論文等を入手できた。また、公契約の種類等に関するイギリスの諸議論については、考察が進んでおり、その内容を令和3年(2021年)の年末頃に発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
従来の研究計画は、本年度も新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受け、その結果、ほぼすべての予定を見送ることにせざるを得なかった状況が生じている。また、昨年に計画を見直した結果として、令和2年(2020年)の8月・9月に延期したイギリスへの渡航、関係者へのヒアリング調査等も、再び実施が不可能となったほか、前記のように、イギリス及び日本の感染状況によって、オンライン上のヒアリング等も困難であった。したがって、本年度の作業としては、文献調査及び資料収集が中心的に行われ、幸いに書籍や論文等の一部は、順調に入手ができている。 今後の予定としては、まず、入手済みの書籍・資料等に基づき、継続的に研究作業を行う。次に、海外への渡航を令和3年(2021年)の秋以降に延期するなど、先方の学者・関係者と連絡しながら計画を随時に見直していく。
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今後の研究の推進方策 |
途中年度である本年度も研究実施計画に従い、従来の予定を延期して実施するほか、順次研究成果を公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航の予定を再度延期したため、その分の費用を次年度に支出することとした。また、専門知識の提供等に対しては、一定の謝金を支払うことも予定している。
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